お金をかけずにリピーターを増やす方法 ── 集客の話
QuickEats運営
グルメサイトに月額を払い、SNS広告を回し、チラシをポスティングする。新規のお客様を呼ぶためにお金をかけている飲食店は多いです。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。昨日来たお客様は、また来てくれますか?
新規集客のコストは、リピーターの5倍
マーケティングの世界では『1:5の法則』と呼ばれる考え方があります。新規顧客を獲得するコストは、既存顧客に再来店してもらうコストの5倍かかる、というものです。
新規 vs リピーターのコスト比較
飲食店に当てはめると:
- グルメサイト経由の新規来店 ── 1人あたり数百〜数千円のコスト
- リピーターの再来店 ── コストはほぼゼロ
売上を伸ばしたいなら、新規集客よりもリピート率を上げるほうが、はるかに効率がいいのです。
リピートしない本当の理由
『うちの料理がまずいから来ないのかも』と考えがちですが、実はそうではありません。
調査によると、飲食店にリピートしない理由の第1位は:
『なんとなく忘れていた』
料理がおいしくなかったわけでも、接客が悪かったわけでもない。ただ、日常の中で思い出すきっかけがなかっただけ。
つまり、リピーターを増やすには、料理の質を上げること以上に、思い出してもらう仕組みが大切です。
お金をかけずにできること
1. 帰り際の一言
会計時に『ありがとうございました』だけで終わっていませんか?
ここに一言添えるだけで、印象は大きく変わります。
- 『来週から新メニュー出るんですよ』
- 『次回はぜひ〇〇も試してみてください』
- 『金曜の夜は比較的空いてますよ』
次に来る理由を、帰る前に渡す。これだけで再来店率は変わります。
2. 常連さんを覚える
名前は覚えられなくても、顔は覚えられます。
2回目のお客様に『あ、前回もありがとうございました』と言えるだけで、お客様は特別感を感じます。3回目には好みのメニューを覚えていると、もう常連です。
大げさなCRMシステムは不要です。スタッフの記憶と気配りが最強のリピーター施策です。
3. SNSは『映え』より『日常』
飲食店のSNS運用で多いのが、きれいに盛り付けた料理の写真を投稿すること。悪くはないですが、お客様が見たいのはそれだけではありません。
- 仕込みの様子
- スタッフの素顔
- 今日のまかない
- 八百屋で見つけたいい食材
『あの店、今日も頑張ってるな』と思ってもらえる投稿のほうが、来店につながります。完璧な写真より、リアルな日常のほうが共感を呼びます。
4. 小さな変化を作る
いつ行っても同じメニュー、同じ内装、同じ雰囲気。安心感はありますが、わざわざ行く理由にはなりません。
- 週替わりのおすすめメニュー
- 季節の食材を使った限定品
- 月に一度の小さなイベント
変化がある店には、『今日はどんなのがあるかな』と来てくれるお客様がつきます。
5. ポイントカードより『ありがとう』
ポイントカードを導入している店は多いですが、正直なところ、ポイントが目的で来るお客様は少ないです。
それよりも、会計時に手書きのメモを渡す、誕生日月にデザートをサービスする、雨の日に来てくれたお客様にドリンクを1杯──。
こうした小さなサプライズのほうが、お客様の心に残ります。コストはほぼゼロです。
数字で見るリピート効果
リピート率アップの効果(月100組の場合)
リピーターが増えるとどうなるか、数字で見てみましょう。
- 月100組の来客のうち、リピーターが20%(20組)→ 30%(30組)に増えたとします
- 新規の広告費(1組あたり500円)が10組分=月5,000円の削減
- リピーターの客単価は新規より10〜20%高い傾向がある
リピート率が10%上がるだけで、広告費は下がり、客単価は上がる。利益が残る好循環が生まれます。
まとめ
リピーターを増やすのに、特別なツールやお金は必要ありません。
- 帰り際に次回の理由を渡す
- お客様の顔を覚える
- SNSでリアルな日常を見せる
- 小さな変化を作り続ける
- サプライズは小さくていい
どれも今日から始められることばかりです。まずは1つ、試してみてください。
飲食店経営コラム連載。次回は最終回「開業前に知っておきたかったこと」をお届けします。