キャッシュレス化の波にどう乗るか ── 飲食店の決済事情
QuickEats運営
『カード使えますか?』
この質問に『現金のみです』と答えた瞬間、お客様の表情が曇る。最近、こんな場面が増えていませんか?
キャッシュレス決済の今
日本のキャッシュレス決済比率は年々上昇しています。
キャッシュレス決済比率の推移
特に20〜30代は財布を持ち歩かない人が増えています。スマホだけで外出する人にとって、現金のみの店は『行けない店』です。
飲食店で使われる決済手段
キャッシュレスと一口に言っても、種類はさまざまです。
飲食店での利用率(2025年)
クレジットカード
最も利用率が高く、客単価も上がりやすい。ただし手数料は3〜4%程度で、決済手段の中では最も高い。
QRコード決済(PayPay、楽天ペイ等)
導入コストが低く、手数料も比較的安い(1.5〜2%程度)。スマホさえあれば専用端末が不要な場合も。若い客層に強い。
交通系IC・電子マネー
タッチするだけで支払い完了。スピードは最速。ただし導入に専用端末が必要。
『手数料が痛い』問題
キャッシュレス導入をためらう最大の理由は手数料です。
売上1,000円に対して30〜40円。月商300万円なら月9〜12万円。確かに大きな金額です。
でも、こう考えてみてください。
現金運用の隠れコスト(月商300万円の場合)
現金にもコストがかかっています。レジ締めの時間、釣銭の準備、両替の手数料、現金管理のリスク。そして何より、現金のみで入店を諦めたお客様の売上。
手数料だけを見ると高く感じますが、トータルで考えると、キャッシュレスのほうが安いケースも多いのです。
何から入れるべきか
全部入れる必要はありません。優先順位をつけましょう。
まず入れるべき:QRコード決済
- 導入コストが最も低い(端末不要のケースも)
- 手数料も比較的安い
- 若い客層の取りこぼしを防げる
次に検討:クレジットカード
- 客単価が高い業態(居酒屋、レストラン)は必須
- 海外のお客様対応にも
- 手数料は高いが、客単価アップで相殺できることが多い
余裕があれば:交通系IC
- ランチ主体の店、回転率重視の店に向く
- 支払いが最速(タッチのみ)
導入のよくある失敗
1. スタッフに周知していない
端末を導入したのに、スタッフが使い方を知らないパターン。お客様が『PayPayで』と言ったのに『ちょっと待ってください…』と慌てる。
導入前にスタッフ全員で練習しておきましょう。5分で終わります。
2. 対応している決済手段がわからない
入口やレジ周りに、どの決済が使えるか表示していない。お客様は聞くのが面倒で、結局現金で払う。
ステッカーやPOPで目立つように表示しましょう。
3. 全部入れようとする
あれもこれも対応しようとして、端末が3台並ぶ。オペレーションが複雑になって逆効果。
まずは1〜2種類から。お客様の利用状況を見て、必要なら追加すればいい。
キャッシュレスは『時代の流れ』ではなく『客の流れ』
キャッシュレス化は、政府の方針や業界トレンドの話ではありません。
お客様の財布が変わったという話です。
現金を持ち歩かない人が増えている以上、現金のみの店は選択肢から外れていきます。それは良い悪いの問題ではなく、事実です。
完璧に対応する必要はありません。まずは1つ、一番お客様に使われそうな決済手段を入れてみてください。
業界トレンドコラム。次回は最終回「人手不足時代を乗り越える」をお届けします。